日本語の『こそあど』とは
『こそあど』は、日本人は自然と感覚によって使い分けていますが、どのような基準で使い分けられているのかを紹介します。
★指示代名詞
事物
これ それ あれ どれ
場所
ここ そこ あそこ どこ
方向
こちら(こっち) そちら(そっち) あちら(あっち) どちら(どっち)
★連体詞
事物・人
この その あの どの
★ナ形
状態
こんな そんな あんな どんな
★副詞
方法
こう そう ああ どう
★現場指示(眼前指示)
実際話している場面にある事物、直接目で見ることができる事物を指示する用法
近称 中称 遠称 不定称
近称
『こ系』:話し手が自分に身近なものと考えた対象を指示する表現
中称
『そ系』:話し手が聞き手に身近なものと考えた対象を指示する表現
遠称
『あ系』:話し手が、話し手から、また話し手と聞き手の両方から遠い存在と考えられる対象を指示するときの表現
不定称
『ど系』:話し手にとって、対称が確定していない場合に使う。
※物理的な距離より、心理的な領域に基づいて決められることが多い。物理的には自分の近くにあっても、心理的に聞き手の領域にある場合は『そ系』を使う。
★文脈指示
目の前にある対象ではなく、話し手と聞き手の意識の中にある対象、例えば話題の中の要素や記憶の中の要素などを指示する。
『こ系』:
話し手の身近にある情報を指す
これから話そうとする内容を指す
例 この前旅行に行ったんですが、こんなことがありました。
『そ系』:
既出の語句を指す
仮定の内容の中の要素を指す場合に使われる
例 もし人類が宇宙に気軽に行けるようになったら、そこに住んでみたいものだ。
『あ系』:
頭の中にあるイメージを指す
例 去年東京で会ったおじさん、あの人は何をしているだろう。
※ここで紹介しているのは代表例であり、上記以外のパターンもあります。